よみものColumn
さびしかった初めての子育て
投稿日:2021年01月22日 / カテゴリー:コラム
子どもが不快を感じて泣く→解消してもらう、という流れを、シーンを変えて何度も繰り返すうちに、子どもは保護者と深い結びつき(アタッチメント)を形成するとされています。保護者から受け入れられ、愛され、大切にしてもらう経験を重ねることで、子どもは自分が大切にされるべき価値ある存在だと実感してゆくため、保護者との安定したアタッチメントは、子どもの自己肯定感を養うといいます。
コドモノミライエ主宰の天野さんが、自分の子どもとアタッチメント形成する時期のことを聞きました。
当時、天野さんは北海道に在住。初めての子育てなので分からないことばかりの中、夫の仕事の都合で住んだ土地だったので、周囲には相談できる友人もいなかったとか。バリバリ働いていた仕事を辞め、自分自身の収入が途絶えたのもつらいことだったそうです。
夫の帰りも遅く、知り合いもいない、子どもと1対1の、いわゆる孤育て。「車がなくて、子どもを乗せたソリを引っ張って、歩いてイオンに行っていました」とか「泣き止まない子どもを抱いて歩き回りながら、孤独感でいっぱいでした」と聞くと、「よくがんばったね!!!!」と、その頃の天野さんをハグしたい気持ちになります。
天野さんが恵まれた環境とは言えない中でも子育てを投げ出さず、必死でお子さんを受け止め、大切に愛したことは、必ずお子さんの自己肯定感の根幹を支えていると思います。
第一子である長女ちゃんは、今、絵とピアノと習字を習っているそうです。天野さんが作品を褒めるととても喜んでくれるのだとか。北国の雪の中、天野さんの手で厚着をさせられてコロンコロンのシルエットになって、ソリにちょこんと乗っていたのであろう小さな姿を想像し、その想像のあとで、今、作品を褒められて嬉しそうにニコニコしている顔を想像すると、なんだかもう、たまりません。
長女ちゃん、いっぱい、いっぱい、褒めてもらってね!
ライター/著